国家試験対策

54回 共通 11 理学療法士国家試験 解答と解説

 

 

 

▶︎解答
5

 

▶︎解説

頭部外傷は、局所的脳損傷(硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳内血腫などの頭蓋内血腫、脳挫傷)と、びまん性脳損傷(脳震盪、びまん性脳腫脹、びまん性軸索損傷)とに分類される。

びまん性脳損傷とは、大脳白質を中心として広範囲に脳損傷をきたすが、頭蓋内に占拠性病変のないものをいう。

びまん性軸索損傷とは、回転加速度のかかった外力によって神経繊維の断裂(軸索損傷)が起こる病態。頭部外傷が軽度で頭蓋の変形や頭蓋内出血が認めれられないにもかかわらず長期の意識障害がある場合、本症を疑う。

CTでは病変が確認できない場合でも、MRIで微小な出血や浮腫をびまん性に認める。

高次脳機能障害をきたしやすく、予後は意識障害の時間が長いほど不良となる。

基本的に保存的治療にて神経機能の回復を期待する。

1. 記憶障害とは、「記銘」「保持」「想起」のいずれかが障害され、新しいことが覚えられなくなったり、思い出すことができなくなったりした状態。代表的なものに健忘症がある。主な病巣は海馬などの大脳辺縁系である。
問題文からは、「仕事を依頼されたことや、仕事の方法は覚えているが」と記載があるため、記憶障害にはあたらない。

2. コミュニケーション障害については問題文からは想定できない。

3. 失行とは、運動機能、知能、意識の障害では説明できず、実行しようとする意志があるにもかかわらず正しい動作を行えないことをいう。
失行には、道具の使い方や手順がわからなくなる観念性失行、指示されたジェスチャーができない観念運動失行、積み木など三次元の構成ができない構成失行、細かい動作ができない肢節運動失行、衣服の着脱ができない着衣失行がある。
問題文から「優先順位が付けられない」との記載があるため、失行に当てはまらない。

4. 失認とは、視覚、聴覚、触覚、味覚、体性感覚など、感覚自体の異常がなく、注意や知能といった一般的な精神機能が保たれているにもかかわらず、対象を認知できないこと。
失認には、音を認識できない聴覚性失認や、見ている物体が何であるかわからなくなる視覚性失認(物体失認、相貌失認)がある。

5. 遂行機能障害とは、「目標の設定」「計画の立案」「計画の実行」「効率的な行動」が障害され、物事を段取りよく進められなくなった状態。注意障害、失語、記憶障害を伴うことがある。

 

 

 

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