
▶︎解答
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▶︎解説
GMFCS(Gross Motor Function Classification System)は、脳性麻痺児のための粗大運動能力分類システムです。
レベルⅠ:制限なしに歩く
レベルⅡ:制限を伴って歩く
レベルⅢ:歩行補助具を使用して歩く
レベルⅣ:制限を伴って自力移動 電動の移動手段を用いてもよい
レベルV:自力移動が非常に制限される 手動車椅子によって移送される。
本症例はGMFCSレベルⅢで、歩行補助具を使用して歩くことができるレベルです。
バニーホッピングとは、四つ這いで両上肢に体重を預け、両下肢を揃えて前に出す動作です。
1、ヘッドサポートは車椅子座位時に頭頸部を安定させるために使用し、GMFCSレベルⅣ、Ⅴの脳性麻痺児に適応となります。本症例はレベルⅢのため、ヘッドサポートを使用するほど頭頸部は不安定ではありません。
2、座面高は標準より高くすることで車椅子からの立ち上がりがしやすくなるという効果がありますが、本症例は立ち上がりの困難さは認めないため、座面高を高くする必要はありません。
3、背もたれの高さ肩甲骨下端までにして、肩甲骨の動きを阻害しないことが基本になります。体幹機能低下によって座位保持が不安定な場合に、背もたれの高さを高くして安定性向上が図れます。
本症例は、移動は車椅子駆動で自立しているため背もたれの高さを肩まで高くすることは必要ありません。
4、リクライニング式は頭頸部を自力で支持することが不十分な場合に選択されます。
本症例はGMFCSレベルⅢでバニーホッピングや車椅子駆動が自立していることから、頭頸部は安定していると思われ、リクライニングは不要です。
5、フットサポートはスイングアウト式にすることで、移乗先により近づき、移乗動作がしやすくなる効果があります。
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