訪問看護

利用者さんからの指名を丁重にお断りすると、良い結果が出る

訪問看護ステーションで理学療法士として働いていると、

「これからずっとあなただけ来てください」

利用者さんや家族の方からこう言われる事があります。

それに対して僕の決まり文句は、

「大変ありがたいのですが、うちは担当を固定しておらず、複数のスタッフが交代で訪問させていただくようにしています。」

とお伝えし、丁重にお断りしています。

この姿勢を3年ほど続けてみたところ、

・入職者の増加
・訪問件数(売り上げ)の増加
・退職者ゼロ
・チームの一体感の向上

といった結果を出すことができました。

これは僕が管理職だった頃に実践していた方法の1つで、チーム内にも浸透させていました。

なぜ指名を断ることで結果が出たのか?

指名を受けることのデメリットを挙げながら考えていきます。

指名は大変ありがたいことであり、自然なこと

まず前提として、利用者さんから指名を受けることは大変ありがたいことです。

利用者さんに認められたということなので、自信に繋がるし、めちゃくちゃ嬉しい気持ちになります。

それと、指名をするという行為自体はごく自然なものです。

僕が利用者さんの立場でも、信頼している担当の理学療法士だけに来てほしいときっと思います。

そういうメリットや自然に起こる感情も分かってはいるんですが、

それ以上にデメリットが多すぎることが予想できました。

そのデメリットを紹介していきます。

指名を受けるデメリットについて

他のスタッフが行きづらくなり、ストレスが溜まる

指名されたスタッフが急遽休みになった場合、代行で別のスタッフが訪問することになります。

そのスタッフは普段から訪問していないので、すごく緊張します。

意地の悪い利用者さんなら、訪問すると冷たい感じで迎えられる可能性も大です。

そんな精神的にハードルの高い状況でまともに介入できるかというと、かなり厳しいものがあるでしょう。

1人で担当できる人数は限りがあるが、チームなら限りがない

ここが一番大事かもしれないです。

僕が常に意識しているのは、できるだけ多くの利用者さんに理学療法を提供し、リハビリテーションの手助けをすることです。

もちろん、目の前の利用者さんも大事なんですが、それと同じくらい、いや、それ以上にサービスが届く人数が大事だと思っています。

仮に僕が指名を受けたとしても、僕が担当できる人数はせいぜい20人くらいです。

どんなに頑張っても、20人しか手助けできないわけです。

しかし、指名を受けないようにすることで、チーム全体で利用者さん全員をカバーできるようになります。

うちの事業所でいうと、セラピスト7名で利用者さん約100名を受け持っています。

セラピスト一人当たりに換算すると14〜15名を担当していることになりますが、

結果的に、個人だと到達が到底不可能な100名という利用者さんを受け持つことができています。

セラピスト7名全員がそれぞれ20名ずつ指名を受ければ、140名に到達できそうな気がしますが、もちろんそんな単純にはいきません。

そもそも、20名の利用者から指名を受けるというのはかなり難しいし、それを維持するのも至難の業です。

スタッフの休日が限られる

ほとんどの利用者さんは、曜日を固定して訪問します。

例えば、Aさんは毎週水曜のみ、Bさんは月曜と金曜の週2回、Cさんは火、木、土の週3回、といった感じ。

僕がAさん、Bさん、Cさんそれぞれから指名を受けてしまうと、月曜から土曜まで全て出勤しなければならず、休日は日曜のみ。

一応僕も家族がいるので、子供の行事で土曜に休みが必要だったり、平日にしかできない用事などもあります。

それができないとなると、僕も家族もストレスで爆発すると思います。

何がワークライフバランスだ!と叫びたくなってしまいます。

それを防ぐためにも、やはり指名は受けずにチーム全員で利用者を担当し、休日もやりくりすることが必要です。

利用者さんへのアプローチが偏る

指名を受けたスタッフだけが訪問するようになると、当然そのスタッフのアプローチだけに偏ってしまいます。

アプローチが一貫されるというメリットもあるかもしれませんが、

一人だといろんなことを見落としがちです。

例えば、
・福祉用具が身体機能に合っていない
・もっと効果的なアプローチがあるかもしれない
・リスク管理が不十分

などです。

チーム全員で訪問する機会があれば、こういった見落としを防ぐことにつながります。

 

以上、指名を受ける事によるデメリットを挙げてみました。